2016.06.18 13:42カエルのナミダその昔、カエルは人間で言うところの巫女の役割があった。天気を占う巫女で、雨ごいをしていた。道を横切って、その身が無事なら晴れ。悲しいことに事故や子どもたちに見つかるなど、不運に見舞われたら雨。雨ごいなので、結果的に誰かが犠牲になる。そんなときは、仲間が弔いの鳴き声をあげて、その命を、涙を流して悲しんでいた。あるとき、一匹のカエルは考えた。...
2016.06.09 14:09ボクのおもちゃ箱ボクのおもちゃ箱には、たくさんのおもちゃが入っている。ミニカーをたくさん持ってるし、お人形だっていっぱいだ。レールだって、電車だって、自動で動くのを持ってるんだぜ。それに、ときどき宇宙服を着たやんちゃな人形がロケットにのって箱から飛び出してくるんだ。でもやっぱりお人形遊びがいちばんおもしろい。お人形っていっても、手で動かすタイプじゃないよ...
2016.06.07 13:08月が恋した物語。これは、月と地球の物語その昔、月は光のない暗い暗い宇宙を、もう随分と長い間、ひとりぼっちで彷徨っていました。月は自分のことがキライでした。自信がありませんでした。顔がデコボコしていて、自分のことを醜いと思っていたのです。あるとき月は、蒼く光るそれはそれは美しい星に出会いました。それが地球です。美しく輝く地球に、その魅力に引き寄せられて、月...